読了時間 約7分

個サルで「次、ゴレイロお願い」と言われて、固まったことはありませんか。この記事では、個サルで急にゴレイロを任されたときに、最低限これだけ知っておけば大丈夫、という内容にしぼって解説します。上達法ではなく、その場で困らないための知識です。内容は、フットサル歴15年のフィールドプレーヤーとして、また実際に個サルでゴレイロに入ってきた経験と、JFA『フットサル競技規則 2025-26』にもとづいています。読み終えるころには、順番が回ってきても落ち着いて立てるようになります。そして周りから「この人、ちょっと知ってるな」と思われる立ち方が分かります。

ゴレイロの結論図解。狙うのは失点ゼロではないこと、立ち位置はボールとゴール中央を結ぶ線の上、構えは両手を軽く広げて腰を落とす、1対1は距離を詰めて股下を消す、の3点を示した図
📋 目次(全7セクション・7分で読めます)
  1. まず知っておきたい、個サルのゴレイロの実際
  2. 立ち位置:ここに立つだけで、止まる確率が変わる
  3. 構え方:「ちょっと知ってるな」に見える
  4. フィールドから見て「助かるゴレイロ」
  5. これだけは知っておきたい、ルール4つ
  6. 【発展】パワープレーってなに?
  7. まとめ

まず知っておきたい、個サルのゴレイロの実際

「ゴレイロなんてやったことない」という人でも大丈夫です。個サルのゴレイロは、思っているよりずっと気楽な立ち位置です。

そもそも、全員が順番でやります

POINT 01

じゃんけんで順番、1点ごとに交代

参加してきた個サルでは、チームが決まったらまずじゃんけんでゴレイロの順番を決めて、1点入るか1点取られるごとに交代する形が多かったです。

つまり、誰か1人が背負い続けるものではありません。全員が順番に立ちます。しかもフィールドでプレーしていて、そのまま交代です。

体育館でゴレイロのビブスを手に順番を決める個サルの参加者たち
個サルのゴレイロは、じゃんけんで順番を決めることが多いようです。

失点は、正直あまり気にされていません

kanata.kanata. の実体験

個サルは即席のチームなので、守備の連携には限界があります。どうしようもない失点は多々あります。実際、失点しても普通に次が始まるだけで、誰もそこまで気にしていません。

そして参加者のほとんどがゴレイロ初心者です。みんな同じように失点します。

だから狙うのは、失点ゼロではありません

POINT 02

「ゴレイロ、ちょっと知ってるな」で十分

止める数を増やすのは、正直むずかしいです。でも立ち位置と構え方は、知っているかどうかがそのまま見た目に出ます。

そこだけ押さえておけば、周りから「この人、ちょっと知ってるな」と思われます。この記事で目指すのはそこです。

なお、フットサルのゴレイロは素手が基本です。専用のグローブを買う必要はありません。

立ち位置:ここに立つだけで、止まる確率が変わります

構え方の前に、立つ場所です。ここは覚えるだけでできるので、いちばん手っ取り早く効きます。

基本は「ボールとゴールの中央を結んだ線の上」

POINT 01

線の上に立ち、ゴールラインより少し前へ

ボールと、ゴールの中央。この2点を結んだ線の上に立ちます。そして、ゴールラインより少し前に出ておきます。

ボールが左右に動いたら、その線に合わせて自分も動きます。立ち止まっていると、線から外れていきます。

kanata.kanata. の実体験

私はこれを意識するようにしています。線から外れていると、相手からはゴールの片側が大きく空いて見えます。逆に線の上に立っていれば、相手から見えるゴールの幅は狭くなります。

ゴレイロの立ち位置の図解。上から見たゴール前の図で、ボールとゴール中央を結んだ線の上に立つと空きが左右で同じになるのに対し、線から横にずれると片側だけが半分以上空いてしまうことを示した図
【図1】線の上に立つと空きが左右で同じになりますが、ずれると片側だけが大きく空きます。

前に出るかどうかは「コースを減らせるか」で決めます

POINT 02

出れば減らせるなら、出る

前に出る基準はひとつです。出ることでシュートコースを限定できるなら、出る。 距離が近いほど、相手から見えるゴールは狭くなります。

逆に、出ても何も減らせない場面で出ると、抜かれたあとに戻れません。

POINT 03

味方が対応できているなら、出ない

味方が相手を見られているなら、前には出ません。ここで飛び出すと、味方が消していたコースまで空いてしまいます。

前に出る場面と出ない場面を比べた図解。上から見たゴール前の図で、左は味方が間に合っておらずゴレイロが前に出てシュートコースを大きく減らす場面、右は味方が相手に付いていてすでにコースが消えているためゴレイロがゴール前に残る場面を示している
【図2】味方が対応できていないなら出る、対応できているなら出ない。どちらも正しい判断です。

※フィールド側から見た「助かるゴレイロ」は、次のセクションで解説します。

構え方:これで「ゴレイロ、ちょっと知ってるな」に見える

個サルのゴレイロで、止められる数を増やすのは正直むずかしいです。でも構え方は、知っているかどうかがそのまま出ます。ここだけ押さえれば、周りの見方が変わります。

基本は「両手を軽く広げて、少し腰を落とす」

POINT 01

シュートが来そうなタイミングで構える

ずっと構え続ける必要はありません。相手がシュートを打てる位置に入った瞬間に、両手を軽く広げて、少し腰を落とします。

kanata.kanata. の実体験

これだけで、棒立ちのゴレイロとはまったく違って見えます。逆にフィールドから見ていると、シュートの直前まで突っ立っているゴレイロは、それだけで「打てば入りそうだ」と思われてしまいます。

1対1は「距離を詰めて、股下を消す」

相手と1対1になったときは、構えが変わります。

POINT 02

距離を詰めて、コースを減らす

まず距離を詰めます。距離が近いほど、相手から見えるゴールの幅は狭くなります。そのうえで手を横に広げて、通せるコースをさらに減らします。

POINT 03

片膝を内側に曲げて、股下を塞ぐ

初心者のゴレイロが抜かれやすいのは、股下・脇の下・膝の横です。なかでも股下は、立ったままだと開いたままになります。片膝を内側に曲げて腰を落とすと、ここが塞がります。

どちらの膝でも構いません。迷ったら利き足の方が曲げやすいと思います。

ただし、膝は床まで完全につけません。 横に振られたときに、次の動きが遅れるからです。片膝を内側に入れながら、動ける状態は残しておきます。

構えを2つ持っているだけで十分です

POINT 04

状況で構えを変える

通常は「両手を軽く広げて少し腰を落とす」、1対1は「距離を詰めて股下を消す」。この2つを使い分けているゴレイロは、それだけで慣れている人に見えます。

1対1で片膝を内側に折り込み、股下を塞いで構えるゴレイロ
【図3】1対1では距離を詰めて、片膝を内側に折り込みます。太ももとすねで股下を塞ぐ形です。(膝は左右どちらでも構いません)

フィールドから見て「助かるゴレイロ」

ゴレイロの評価は、セーブの数だけでは決まりません。味方のフィールドプレーヤーから見て「このゴレイロは助かる」と感じるポイントがあります。ここはフィールド側の視点なので、実際に感じてきたことをそのまま書きます。

助かるのは「守備範囲が広い」ゴレイロ

POINT 01

ゴールの前で待つだけでなく、前に出て守る

守備範囲の広いゴレイロは、それだけで味方が救われます。

kanata.kanata. の実体験

最終ラインで1対1になり、抜かれた場面。もう終わったと思った瞬間に、ゴレイロが飛び出してシュートをブロックしてくれました。ディフェンスとしては、この1本で本当に助かります。抜かれた後ろにまだ壁がある、という安心感は、次のプレーの勇気にもつながります。

困るのは「ゴールラインにへばりつく」立ち方

POINT 02

ゴールから出ない・コースを見ていない

逆に困るのは、ゴールラインに張りついたまま動かないゴレイロです。前に出ないぶん守備範囲が狭くなり、抜かれた場面がそのまま失点になります。

もう1つ困るのが、コースの分担がずれている立ち方です。フィールドの守備側が遠いコース(ファー)を消しているなら、ゴレイロは近いコース(ニア)に立つのが分担です。ここが空くと、そのままニアを決められます。守備側は「ファーは自分が消したから、ニアは頼む」という前提で立っているからです。

助かるゴレイロ

  • 前に出て守備範囲を広く取る
  • 味方とコースを分担する

困るゴレイロ

  • ゴールラインから出ない
  • 分担がずれてコースが空く

声をかけてくれるゴレイロは、それだけで助かる

POINT 03

ゴレイロは一番よく見えている

ゴレイロはコート全体を正面から見ています。フィールドの選手に見えていないものが見えています。声はそのまま武器になります。

kanata.kanata. の実体験

自陣で相手のプレスを受け、相手を背負ってしまったとき。チームでは、ゴレイロから「キーパーないよ」と声が飛んできます。「いま自分に返してもダメだ」という合図です。

というのも、ゴレイロが一度ボールを持ってプレーしたあと、相手が誰も触っていない状態では、味方がわざと返したボールをゴレイロは自陣で触れません。足で受けても反則です。 フィールドの選手は、プレー中にこの状態を追いきれません。だから、見えているゴレイロが教えてくれると本当に助かります。

※このルールは、次のセクションの RULE 03 で解説します。

ここから一歩先の話
相手のピヴォ(前線でボールを収める役割の選手)が左右のサイドに流れたとき、ゴレイロから「右に流れたよ」と教えてもらえると助かります。競技志向のチームで効いてくる声かけなので、個サルでは「そういう声もある」と知っておく程度で十分です。

これだけは知っておきたい、ゴレイロのルール4つ

急にゴレイロを任されると、フィールドとは勝手が違って戸惑いますよね。まず次の4つだけ押さえれば大丈夫です。

RULE 01

ゴールクリアランスは「投げる」もの

相手が最後に触れたボールが、ゴールに入らずエンドライン(ゴールがある側のライン)を越えたとき、ゴレイロから再開します。これがゴールクリアランスで、サッカーのゴールキックにあたる場面です。

フットサルでは、手で投げて再開します。サッカーのゴールキックのように蹴ることはできません。ここがサッカー経験者ほど間違えるところです。投げたボールが直接ゴールに入っても、得点にはなりません。

※味方が最後に触って越えた場合は、相手のコーナーキックになります。

RULE 02

味方からのパスは、手では取れない

味方がゴレイロへ蹴ったパスを、自陣のペナルティーエリア内で手や腕で扱うと反則です。相手ボールの間接フリーキックで再開されます。キックインから直接受けたときも同じです。足で処理すれば問題ありません。この反則自体でカードが出ることはありません。

※そもそもペナルティーエリアの外では、ゴレイロも他の選手と同じで手は使えません。

※偶然ボールが当たった場合は対象外です。狙って出したパスが対象です。

※間接フリーキック…蹴ったボールが直接ゴールに入っても得点になりません。この場合は相手のゴールクリアランスで再開します。

味方からゴレイロへ蹴ったパスは、ペナルティーエリアの中では手や腕で扱うと反則になるが足で処理するのは問題ないこと、およびエリアの外ではそもそも手が使えないことを示した図
【図4】味方からのパスは、エリアの中でも手では取れません。足で処理すれば問題ありません。

RULE 03

一度プレーしたあと、自陣では受け直せない

これは RULE 02 の延長にあるルールです。違いは「一度プレーしたかどうか」です。

自分がボールを持ってプレーしたあと(ゴールクリアランスも含みます)、味方から返ってきたパスを自陣で受け直すと反則です。手だけでなく、足で受けても反則です。 相手が一度でも触れば解除されます。こちらもカードは出ません。

※どこから出たパスかは関係ありません。自陣で触ったかどうかで決まります。

逆に言えば、相手陣内では何度でも触れます。制限は自陣だけの話です。

たとえばゴールクリアランスで再開したあと、味方が詰まって返してくる場面です。フィールドの選手はこの状態を把握しきれないので、前のセクションで触れた「キーパーないよ」の一声が効いてきます。

ゴレイロが一度プレーし味方が返したボールを自陣で受け直すと手でも足でも反則になる流れと、相手が触れば解除されること、制限は自陣だけで相手陣内なら何度でも触れることを時間順に示した図
【図5】決まるのは「ゴレイロがどこで触ったか」です。パスの出どころは関係ありません。

なお、この2つは合わせて「バックパス」と呼ばれています。競技規則にある名前ではありませんが、現場ではこの呼び方が使われます。呼び名は1つですが、中身は2つです。この記事では分けて説明します。

RULE 04

「4秒ルール」は足で持っていても数えられる

自分のハーフ内でボールを4秒より長く持つと反則です。見落としやすいのは、手だけでなく「足で持っていても」対象になること。相手のハーフでは4秒制限はかかりません。バウンドさせても投げ上げても、カウントは止まりません。

※4秒はゴレイロだけのルールではありません。フリーキックやキックインの再開にも4秒があります。詳しくは第1回で解説しています。

ルールの全体像は、シリーズ第1回フットサルのルール完全ガイドで解説しています。

【発展】パワープレーってなに?

ポジション解説の記事で「詳しくはゴレイロ特集で」とお伝えした部分を、ここで回収します。まずは「そういう戦術がある」と知っておくだけで十分です。

パワープレー(PP)とは、ゴレイロが自分のゴールを離れて攻撃に参加し、人数で相手を上回る戦術です。主に負けている終盤、点を取りにいくために使います。ゴレイロも相手陣内まで上がって攻撃に参加できます。多くの場合、フィールドの選手がゴレイロ用のユニフォームを着て、攻撃のたびに入れ替わって入ります。

大きなリスクは、空いた自分のゴールへ遠くから流し込まれることです。点を取るために、失点のリスクを承知で打つ手だと考えてください。

※「パワープレー」は通称で、競技規則にある正式な用語ではありません。

まとめ

この記事のポイント

  • 個サルのゴレイロは全員が順番で入るもの。失点は誰もそこまで気にしていない
  • 狙うのは失点ゼロではなく「ちょっと知ってるな」と思われること
  • 立ち位置はボールとゴール中央を結んだ線の上。ゴールラインより少し前
  • 前に出るのは、出ることでシュートコースを減らせるときだけ
  • 構えは2つ。通常は両手を軽く広げて腰を落とす、1対1は距離を詰めて股下を消す

うまく止めようとしなくて大丈夫です。正面に入って、体に当てるだけで十分です。

個サルそのものが初めてという方は、個サル初心者ガイドもあわせてどうぞ。